Web集客に必須の「ペルソナマーケティング」。誰でもできるペルソナの作り方その基本
Webマーケティングに欠かせない手法となりつつある「ペルソナマーケティング」。経営に携わる方やWeb戦略担当の方ならその名を耳にしたことはあると思いますが、中小企業や個人経営の企業で実際に導入しているという方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
ライフスタイルの多様性と移り変わりの速さが日々増している現代では、Web上では顧客ひとり一人の要望にオンデマンドで対応していくことが常識となりつつあります。商品やサービスもターゲットの的を微細に絞り、いまこの瞬間にその商品を求めている人にそのコンテンツや広告を通して情報が届く枠組みができあがり、それに応じた細分化されたWeb集客が求められています。そうしたニーズを満たすのに欠かせないのが「ペルソナマーケティング」です。今回は改めて「ペルソナマーケティング」とは何かを解説し、以前よりずいぶん気軽になった「ペルソナの作り方」についてお伝えします。
ペルソナマーケティングとは
ペルソナとは、「企業の製品やサービスにとって、最も重要で象徴的な顧客モデル」のこと。そうした顧客像(ペルソナ)を作りだし、その顧客のニーズを満たす形で商品やサービスの営業活動を行うことをペルソナマーケティングと呼びます。
ペルソナの特徴はそのリアリティに在ります。氏名・年齢・性別・居住地・家族構成・職業・勤務先・年収といった基本属性データだけでなく、身体的な特徴や性格、生い立ちからこれまでの学歴、職歴や資格といったキャリア、趣味嗜好、ライフスタイル、ポリシー、消費行動や情報収集行動のパターン…などなど、まるで実在する人物のように細かく設定し、マッチしたビジュアルイメージに落とし込むためにイラストや写真を添付することもよくあります。
従来のマーケティングでは、F1層(20から34歳の女性)、М1層(同左世代の男性)とか、「都内在住の20代の男性」といった大枠のセグメントが活用されてきました。しかしライフスタイルの多様化によって、こうしたセグメンテーションだけでは顧客のニーズを捉えきれなくなり、その代わりとしてペルソナマーケティングが主流となってきたのです。現在は大企業から、個人経営の企業までがペルソナマーケティングを活用しています。
以前はペルソナを作成しようとすると時間や費用が膨大にかかり、とても中小企業や個人ベースではペルソナマーケティングに手を出せない状況でした。ところが現在では作り方も確立され、気軽に使える作成支援ツールも登場し、誰もがマーケティングに活用できるようになっています。
メリット1:適切なコンテンツ集客ができる
ペルソナマーケティングの大きなメリットの一つは、顧客にマッチしたコンテンツを提供できるということです。顧客がどんなメディアを使ってどんな情報を収集するかがわかれば、どんな媒体にどんな広告を出せばいいか、また、どんなメディアでどんな情報を発信していくのが効果的なのか的が絞れます。結果、広告の費用対効果は上がり、SEOの順位もアップ、発信するコンテンツにファンがつき、Webでの集客が可能になるのです。
・広告物のコンテンツ
・オウンドメディア(自社発信の情報。ブログ、SNSほか)
・マーケティングメール
・SEO(検索キーワード)
・ブランディング
ペルソナマーケティングは上記のような分野で非常に効果を発揮します。
メリット2:社内の違う部署で共通の認識を持ってマーケティングができる
商品やサービスのマーケティングは企業内の様々な部署で展開されます。しかし、そもそも、企画部門、設計部門、製造部門、宣伝部門が各々抱いている商品像やサービス像、顧客像がズレていたら、マーケティング戦略は成功を望めません。
「都心に住む20代の男子大学生」といっても、親元から有名私立大学に通う裕福な学生もいれば、地方から出てきて1Kのアパートに住み奨学金をもらいながら国公立大学に通う苦学生もいます。しかし「地方から出てきて、Wインカムの両親からの仕送りで学校近くの1LDKのマンションに住む国公立大学の1回生の●●君」というペルソナが設定されていれば、迷うことなく全員が同じ顧客像に向かって統一感のあるマーケティングができるのです。統一された顧客像があるからこそ、選択肢のありすぎる現代のマーケティング手法の中から最適な選択をすることができ、その効果を望めるのです。
ペルソナの作り方の基本
ペルソナの作り方をまとめると、以下のようになります。
1:ペルソナについての情報収
2:集めた情報の仕分け・まとめ
3:ペルソナ情報の肉付け
それぞれを詳しく見ていきます。
1:ペルソナについての情報収集
ペルソナの作り方において注意すべき点は、想像や思い込みではなく、必ず客観的な情報に基づいて作成することです。
既存顧客情報やアンケートなどを調べて、コアターゲットとなるセグメントを選定します。
ターゲット属性の人へのヒアリング(アンケートやインタビューほか)を行います。基本情報だけなく、趣味嗜好、仕事上のゴールと課題、購買に優先する事項(製品やサービスを探したり調べたりするに当たっての行動パターンや、使用デバイスなど)、特にその時の行動理由と、心情についても細かく聞き込みします。
ただ、本格的なインタビューとなると、時間も費用もかかりますので、その代わりに顧客と接する機会の多い販売員や営業のスタッフへのヒアリングによってペルソナを作るための材料収集をするのも有効です。
2:集めた情報の仕分け・まとめ
収集したペルソナに関する情報をまとめるために、まずは仕分けします。「KJ法」と呼ばれる手法で、付箋を使って行います。付箋一つにつきぺルナの情報を一つ書き込み、同じような種類の情報をまとめてタイトルをつけていきます。
「土曜の朝はだいたい近所のカフェに一人でブランチに行く」
「週末にまとめて洗濯をする」
という付箋を「週末の過し方」というグループとしてまとめるといったイメージです。
3:ペルソナ情報の肉付け
グルーピングした情報をもとに、具体的な人物像にしていきます。箇条書きで集まってきた各情報をつなぎ合わせ、一つのエピソードや説明に仕立てて、ペルソナシートという1枚ものスタイルのシートにまとめていきますます。
・基本情報
・生活スタイル(仕事/私生活)
・生活や仕事上のゴールや課題、チャレンジ
・情報との接し方(方法、タイミング、情報源)
・製品やサービスの選び方
・信条、モットー、よく口にする言葉
最後は人物像に合う写真を付けて完成です。
ターゲット属性の人と、ターゲット属性を親しく知る属性の人に、出来上がったペルソナを見てもらいます。 またその他の検証を重ね、必要に応じて修正していきます。
ペルソナ作りに役立つ便利ツール
・クラウド型消費者分析ツール「ぺるそね」
ペルソナを構築する分析データが不足している時に使えるツールの一つが「ぺるそね」です。日本全国約30,000人のデータを基に、ペルソナ属性の人たちの行動やライフスタイルについて読み解くことのできる消費者分析ツールです。
年齢、性別等の基本属性に加え、お気に入りのお店や関心のある商品、その理由など、消費行動に関わるデータを具体的かつ詳細に蓄積されており、知りたい消費者の実像について、より精緻な分析が可能です。 またデータを取り出す際には、エクセルデータやグラフのPDFなどを選べるようにもなっています。
カード決済であれば、個人・法人を問わずすぐに利用が可能で、無料で試せるプランもあり、何かと便利です。
使い方を説明した動画がありますので、覗いてみてはいかがでしょうか。
http://www.perso-net.jp/about.html
・パワーポイント・フォーマット
ペルソナシートの作り方がわからない!という方は有料ですが、パワーポイントを使ったフォーマットを利用するのもありです。
http://www.dlmarket.jp/products/detail/214570
まとめ
- ペルソナマーケティングとは、顧客像を明確化するための伝統的マーケティング手法のこと。
- ペルソナの作り方の基本は、データやヒアリングから得られた事実を土台にすること。根拠のない創作はしない。
- ペルソナを作ることで、顧客のインサイト(本音)に迫れ、社内でブレのないターゲットを共有できる。
これからのマーケティングには「ペルソナマーケティング」が欠かせません。取り組んでない方は、ぜひ始めてみてください。